CLこそ準優勝に終わったが、サラーらをワールドクラスに引き上げた。クロップはやはり現代サッカーの名監督なのだ。 「ミスター・クロップ、信じられないほど見事なシーズンでした。ありがとうございます。それはまさに英雄の叙事詩(エピック)のように壮大なものでした。あなたは真のロックンローラーだ。おそらく、古き良き時代のロマンティックなフットボールを思い起こさせてくれる最後の監督です。私のこの意見には、世界中の多くのファンやジャーナリストが同意することでしょう」 ウクライナ人はラブリーだ。チャンピオンズリーグ決勝後の記者会見で、僕の右隣に座っていた地元の若い男性レポーターはずっとジリジリしていた。洒落た眼鏡をかけた青年はリバプールの監督にどうしても感謝を伝えたくて、長いあいだ時々小刻みに震えながら手を上げ続け、発言の許可を得ると立ち上がり、ちょっと大げさに聞こえるそんなスピーチをした。 「帰路はとて