現代戦術で読み解くレジェンドの凄み#8 過去から現在に至るまで、サッカーの歴史を作り上げてきたレジェンドたち。観る者の想像を凌駕するプレーで記憶に刻まれる名手の凄みを、日々アップデートされる現代戦術の観点からあらためて読み解く。 第8回はオリバー・カーン。“ゲルマン魂”という言葉そのものと言っても過言でないメンタリティが印象深い名GKを、プレーしていた時代背景も考慮しながら考察する。 DER TITAN オリバー・カーンのニックネームは“Der Titan”。ギリシャ神話の巨人族タイタンだ。身長188cmはGKとしては巨人とは言えないが、ゴール前に仁王立ちして次々とシュートを防ぎまくる迫力と不死身感はタイタンと呼ぶに相応しかった。 GKはスラリとした長身で手足が長いタイプか、がっちりとした巌のようなタフガイに分かれるが、カーンは後者の典型だろう。 バイエルンでカーンを指導したゼップ・マイヤ