秋頃から始まった、日産や神戸製鋼など日本を代表する大手企業の「不正発覚」問題。そして先頃、これまた大手大手化学企業の「東レ」の子会社でも不正が発覚し、謝罪会見を開く事態となっています。メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で在米作家の冷泉さんは、今回の東レ偽装問題で何が暴露されたのかを詳細に解説。さらに、この問題で発覚した「トクサイ(特別採用)」の闇と同社の今後について持論を展開しています。 東レ偽装で明らかになった『トクサイ』の闇 10月末から暴露が始まった一連の「企業不祥事」についてですが、まず日産とSUBARUの「無資格検査員」の問題があります。この問題については、法令逸脱行為については批判は免れないものの、検査そのものは時代遅れであり、一種の「非関税障壁」として制度への見直しが必要と考えるべきと思います。また、輸出車には一切無関係の問題ですから、日本の製造業の国際的評価への影響もな