2017/10/24 7:00 吉原幸伸(よしはら・ゆきのぶ) 映画「マネーボール」が公開されて以来、スポーツの現場で様々なデータの利活用が行なわれるようになった。テレビを中心としたメディアも、中継時に多くのデータを提供している。ただそのデータの多くは、専門的な見地から見るとあまり役に立たないものが多い。そもそも、「本当に役に立つデータ」と「役に立たないデータ」の違いとは何なのか? データ分析の専門家である吉原幸伸氏に執筆を依頼した。(文:吉原幸伸) ■走行距離の少ない選手=ダメな選手なのか?スポーツ中継を見るとき、私たちは知らないうちに様々なデータを目にしている。たとえば野球では、打者がバッターボックスに立つと、ピッチャーやキャッチャーはその打者の癖、好みなどのデータから戦略を立てている。守備の選手も、その選手の打球の傾向に応じて守備陣形を調整する。 視聴者も、その打者の直近の結果や通