(2)にもどる 「草食系男子」という言葉がはやって久しい。誠実で優しいが、恋愛には消極的な男性を指す。女性との交際が苦手で、「晩婚化に拍車をかけている」との社会学者の指摘もある。 いま、日本人の「性」を取り巻く環境は極めて深刻だ。 「少子化問題が話題に上ると、常々、性交回数の少なさも原因として考えられるのではないかと、気になっていた」 日本家族計画協会クリニック所長で産婦人科医の北村邦夫医師はこう語る。 厚生労働省の「第4回男女の生活と意識に関する調査」(平成20年9月)のデータを北村氏が詳細に分析した結果、1カ月以上性交をしていない夫婦は36・5%。16年の第2回調査の31・9%から5ポイント近くも増えている。 イギリスのコンドームメーカーの各国調査(2005年)では、日本人の1年間の性交頻度は45回と世界最低。世界平均103回の半分以下だった。 出生数減に悩む日本にとって、「性」をめぐ