経営再建中のシャープが韓国・サムスン電子から103億円の出資を受けることを決めた。その一方、シャープは「打倒サムスン」を掲げる台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業とも出資を受ける資本交渉を継続し、二股外交を仕掛けている。この関係をさらにややこしくしているのが、シャープ・鴻海の主要顧客である米アップルがサムスンの商売敵という事実だ。高い技術を持つシャープを巡るサムスンと鴻海の三角関係に、アップルの出方という不透明さが絡み合い、シャープが陥った環境は混沌の様相を呈してきた。 ▼アップル対サムスン 「サムスンとの資本提携が、アップルとの関係に影響しなければよいが」。あるシャープ関係者は顔を曇らせた。 アップルは、美しいフォルムで未来性を思わせるアップルの「iPhone(アイフォーン)」が世界で爆発的にヒット。かたやサムスンは、低価格戦略で新興国を中心に世界市場を攻略した。 スマホ業界の両雄は、市場シェ