菅義偉首相(右)と麻生太郎副総理兼財務相。菅首相の財政政策のスタンスは?=首相官邸で2020年10月6日午前10時1分、竹内幹撮影 携帯電話料金の値下げにデジタル庁新設、不妊治療の保険適用拡大――。国民の耳目を集める政策を次々とぶち上げる菅義偉政権だが、いまだ見えづらいのが財政再建へのスタンスだ。菅首相は多くを語らないだけに、周囲は真意を測りかねている。 菅氏発言に一喜一憂? 「昨夜はいろいろな人から『良かったね』というメールが山ほど来たが、今日は逆に『残念だね』というメールがいっぱい来たよ」。自民党総裁選が終盤を迎えた9月11日、ある財務省幹部はそう嘆いた。菅氏は、前日夜の民放番組で消費税について「将来的なことを考えたら、行政改革を徹底した上で引き上げざるを得ない」と発言した。だが、11日の記者会見では一転、「『今後10年程度は引き上げない』という安倍首相の考えと同じだ」と軌道修正した。