振り子で言葉を探るように 作者:堀江 敏幸毎日新聞社Amazon時計まわりで迂回すること - 回送電車V 作者:堀江 敏幸中央公論新社Amazon 書評集とエッセイ集。ぼくも書評をいっぱい書いているし、その分他人の書評は気になるが、目にするものの半分は書評の名に値しないクズ感想文、三割はもう少しうまくかけよという感じで、いい書評だと思えるのは二割ほどしかない。 堀江の書評は、(すべてとは言わないが)相当部分がこの二割に入る。同時期に朝日新聞の書評委員を務めたこともあるが、彼の書く書評のおかげで紙面が救われていたときもしばしばあったと思う。 そして、彼の書き方はぼくとはまったく流派がちがう。ぼくは例外もあるけれど、基本的にはその本が与えてくれる価値とは何か、というのを明示的に書こうとする。堀江は、それを明示的に書くよりは、何となく匂わせることを選ぶ。そして、それが実にうまい。以前、堀江による
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