今月上旬、FTのエコノミストフォーラムというサイトで、表題の経済学者によるガイトナー・プランに関する一連の投稿があったので、簡単に紹介してみる。 最初の投稿は4/6のコトリコフとサックスの連名によるもの。「ガイトナー・サマーズ・プランはあなたが思っているより悪い」と題し、銀行によって政府=納税者がカモられる恐れがあることを指摘している。内容的には、ここで軽く触れたサックス単独の記事とほぼ同じで、数値例を使い、ガイトナー・プランを通じて銀行が利益を上げる可能性を示している*1。彼らは、このように筋が良くないガイトナー・プランは破棄すべき、と主張する。対案として彼らが推奨するのは、バッドバンク構想である。また、長期的には、コトリコフの持論であるLimited Purpose Banking(マンキューに言わせれば、一種のナローバンク)を構築すべき、とも述べている。 この論説に対し、カバレロがコ
昨日に続きスティグリッツねた。ポリティコ論説でスティグリッツが、オバマ政権が実施した銀行救済策に対する怒りを露わにしている(H/T Economist's View)。「The Myth of America’s Golden Age」と題されたその論説で彼は、自らの体験やピケティ本を引きつつ、トリクルダウン理論は破綻した、と述べている。 Ironically enough, the final proof debunking this very Republican idea of trickle-down economics has come from a Democratic administration. President Barack Obama’s banks-first approach to saving the nation from another Great Dep
1966年に静岡市内で一家4人が殺害された強盗殺人放火事件(「袴田事件」)の再審で、9月26日に静岡地裁が言い渡した無罪判決に対して、検察は、控訴期限の2日前の10月8日に控訴を断念することを発表した。その際に公表した、畝本直美検事総長の談話(以下、「畝本総長談話」)に対して、弁護団が抗議の声明を出すなど、厳しい批判が行われており、SNSのX上でも批判の投稿が「炎上」し、「検事総長」がトレンドに入りした状態が続いた。 畝本検事総長に対する直接の批判は、検察として控訴を断念して無罪判決を受け入れているのに、検事総長として「本判決は、その理由中に多くの問題を含む到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容であると思われます。」などと、控訴断念と矛盾する意味のことを発言し、検察の公式見解として公表していることに向けられている。 弁護団は声明で、控訴を断念して袴田氏の無罪を確定さ
今話題の集団安全保障と集団防衛と集団的自衛権をそれぞれ短く説明してみます。この3つの用語は細かすぎてなかなか違いが分かりにくいものですが、入門編的にできるだけ平たく書いてみます。ちなみに、日本における内閣法制局の解釈や国内議論については本稿ではとりあげません。 はじめに、集団安全保障と集団防衛/集団的自衛権のざっくりとしたイメージを視覚化してみました。 <集団安全保障イメージ> <集団防衛/集団的自衛権イメージ> このイメージをもとに、細かすぎない程度に見ていきたいと思います。 集団安全保障とは、グループ内の不特定の構成国に向けられた内向きの協力体制のことです。グループを形成する際に敵を想定するものではありません。そして、グループとは具体的には国際連合のことを指します。 では、国際連合では集団安全保障をどのように位置づけているのでしょうか? まず、武力行使の濫用(らんよう)は国連憲章でも厳
2014年07月05日 政府の閣議決定について:補足 パリから帰国しました。二つの会議で講演をしてきて、建設的なディスカッションを楽しんできました。ちょうど今の時期のパリは、バカンス前で皆さんとても機嫌が良く、さらにはフランスがW杯でグループリーグを突破したので、天気が良かったとのあわせて、町中の雰囲気が明るかったです。先ほどの試合で、フランスがドイツに負けたようですが、その前に帰ってきて幸いでした。はたして、ちょっと雰囲気が悪くなっているのでしょうか。 それにしても、先日投稿したブログのエントリーが、驚くほど多くの方に読んで頂いているようで、自分でも驚いております。いつもは、一日あたりで100名ほどのアクセスなのですが、なんと昨日は4万3千アクセス。驚異的です。私のイギリス外交史についての研究書もこれぐらい売れてくれれば、出版社の方も喜んで頂けるのですが。なかなかそうもいきません。 海外
タコ! この謎多き生き物――『タコの才能 いちばん賢い無脊椎動物』(高瀬素子)他 今週のオススメ本 / シノドス編集部 情報 #飯田泰之#タコの才能#キャサリン・ハーモン・カレッジ#思考をみがく経済学 イカとタコ――足が沢山ある共通点によって、そしてその美味しさによって、今まで社会を二分する派閥闘争を繰り広げてきた。しかし、昨今、ダイオウイカが大きな注目を浴び、イカ派が優勢の展開だ。あんなに大きなイカに勝てっこない……多くのタコ派がうなだれていた。 そんな中、タコ派にとって救世主のごとく現れた本がある。タコの魅力をたっぷりと教えてくれるノンフィクション『タコの才能』だ。本書ではタコの捕まえ方、タコの食べ方、タコの習性、タコと人類の歴史、タコにまつわる文化など、タコに関する様々な事柄が網羅されている。 タコとイカは似ているようで、ちょっと違う。足の数だけではなく、群れで泳ぎ回るイカに比べ、タ
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