今月上旬、FTのエコノミストフォーラムというサイトで、表題の経済学者によるガイトナー・プランに関する一連の投稿があったので、簡単に紹介してみる。 最初の投稿は4/6のコトリコフとサックスの連名によるもの。「ガイトナー・サマーズ・プランはあなたが思っているより悪い」と題し、銀行によって政府=納税者がカモられる恐れがあることを指摘している。内容的には、ここで軽く触れたサックス単独の記事とほぼ同じで、数値例を使い、ガイトナー・プランを通じて銀行が利益を上げる可能性を示している*1。彼らは、このように筋が良くないガイトナー・プランは破棄すべき、と主張する。対案として彼らが推奨するのは、バッドバンク構想である。また、長期的には、コトリコフの持論であるLimited Purpose Banking(マンキューに言わせれば、一種のナローバンク)を構築すべき、とも述べている。 この論説に対し、カバレロがコ
昨日に続きスティグリッツねた。ポリティコ論説でスティグリッツが、オバマ政権が実施した銀行救済策に対する怒りを露わにしている(H/T Economist's View)。「The Myth of America’s Golden Age」と題されたその論説で彼は、自らの体験やピケティ本を引きつつ、トリクルダウン理論は破綻した、と述べている。 Ironically enough, the final proof debunking this very Republican idea of trickle-down economics has come from a Democratic administration. President Barack Obama’s banks-first approach to saving the nation from another Great Dep
フジテレビは、2023年6月に番組出演タレントの中居正広氏と同社社員だった女性との間で生じた事案に関連する報道を受けて、1月17日に、港浩一社長(当時)ら経営陣が最初の記者会見(以下、「17日会見」)を開いたものの、テレビカメラを入れず、会見参加者も質問者も限定する、会見時間も制限するという、あまりにクローズなものだったこと、設置する調査委員会が、第三者委員会であるか否かも不明確だったことが猛烈な批判を受け、会見後、大手企業のスポンサーの間にフジテレビでの広告を見合わせる動きが拡がった。 そこで、23日に、事実関係の調査・事後対応やグループガバナンスの有効性を、客観的かつ独立した立場から調査・検証するための第三者委員会の設置を公表した。 この委員会については、日本弁護士連合会が策定した「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」(以下、「日弁連ガイドライン」)に準拠するもので、委員長の
今話題の集団安全保障と集団防衛と集団的自衛権をそれぞれ短く説明してみます。この3つの用語は細かすぎてなかなか違いが分かりにくいものですが、入門編的にできるだけ平たく書いてみます。ちなみに、日本における内閣法制局の解釈や国内議論については本稿ではとりあげません。 はじめに、集団安全保障と集団防衛/集団的自衛権のざっくりとしたイメージを視覚化してみました。 <集団安全保障イメージ> <集団防衛/集団的自衛権イメージ> このイメージをもとに、細かすぎない程度に見ていきたいと思います。 集団安全保障とは、グループ内の不特定の構成国に向けられた内向きの協力体制のことです。グループを形成する際に敵を想定するものではありません。そして、グループとは具体的には国際連合のことを指します。 では、国際連合では集団安全保障をどのように位置づけているのでしょうか? まず、武力行使の濫用(らんよう)は国連憲章でも厳
2014年07月05日 政府の閣議決定について:補足 パリから帰国しました。二つの会議で講演をしてきて、建設的なディスカッションを楽しんできました。ちょうど今の時期のパリは、バカンス前で皆さんとても機嫌が良く、さらにはフランスがW杯でグループリーグを突破したので、天気が良かったとのあわせて、町中の雰囲気が明るかったです。先ほどの試合で、フランスがドイツに負けたようですが、その前に帰ってきて幸いでした。はたして、ちょっと雰囲気が悪くなっているのでしょうか。 それにしても、先日投稿したブログのエントリーが、驚くほど多くの方に読んで頂いているようで、自分でも驚いております。いつもは、一日あたりで100名ほどのアクセスなのですが、なんと昨日は4万3千アクセス。驚異的です。私のイギリス外交史についての研究書もこれぐらい売れてくれれば、出版社の方も喜んで頂けるのですが。なかなかそうもいきません。 海外
タコ! この謎多き生き物――『タコの才能 いちばん賢い無脊椎動物』(高瀬素子)他 今週のオススメ本 / シノドス編集部 情報 #飯田泰之#タコの才能#キャサリン・ハーモン・カレッジ#思考をみがく経済学 イカとタコ――足が沢山ある共通点によって、そしてその美味しさによって、今まで社会を二分する派閥闘争を繰り広げてきた。しかし、昨今、ダイオウイカが大きな注目を浴び、イカ派が優勢の展開だ。あんなに大きなイカに勝てっこない……多くのタコ派がうなだれていた。 そんな中、タコ派にとって救世主のごとく現れた本がある。タコの魅力をたっぷりと教えてくれるノンフィクション『タコの才能』だ。本書ではタコの捕まえ方、タコの食べ方、タコの習性、タコと人類の歴史、タコにまつわる文化など、タコに関する様々な事柄が網羅されている。 タコとイカは似ているようで、ちょっと違う。足の数だけではなく、群れで泳ぎ回るイカに比べ、タ
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