今年はロシア革命の100周年に当たる。もっとも、それをことさらに取り上げる意味などないという感覚の方が一般的かもしれない。 ロシア革命によって生まれたソ連という国が滅びてから25年以上経つ今日、「なぜロシア革命やソ連を論じるのか?」という疑問が呈されても驚くには当たらない。 それが進歩の里程標だったなどという、今では誰も覚えていないような発想から離れて、この100年を歴史として振り返ってみたい。 1917年の二つの革命 そもそも「ロシア革命」という言葉で指されるのはどのような事件なのだろうか。 1917年のロシアでは、旧暦の2月と10月に革命が起きた(新暦では3月と11月に当たる)。「ロシア革命」という場合に主に念頭におかれるのはそのうちのどちらだろうか。 かつては圧倒的に10月(社会主義革命)が重視され、2月はそこへ向けての序幕と見なすのが常識的だった。だが、いまではむしろ、2月(専制の