2016年01月25日22:47 カテゴリその他 高木健一氏へのお詫び 私が、2014年9月1日に当ブログに掲載した「慰安婦を食い物にする高木健一弁護士」と題する記事において、「慰安婦を食い物にする高木健一弁護士」、高木健一弁護士と受け取られるような書きぶりで「慰安婦を食い物にする『ハイエナ弁護士』」と記載したことは誤りでしたので、高木弁護士に多大なご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます。 平成28年7月27日 池田信夫 「その他」カテゴリの最新記事
2010年06月25日22:02 カテゴリ本経済 浜田先生の思い出 浜田宏一氏は私の学生のときのゼミの教官であり、彼が本書で激しく攻撃している日銀の白川総裁は、同じゼミの先輩である。したがって、この記事は客観的な書評ではなく、個人的な感想だと思っていただきたい。 浜田先生は人格高潔で、理論ばかりでなく実証研究でも日本のケインジアンの中心的存在だった。しかし私が浜田ゼミに入ったころから、空気は変わり始めていた。FriedmanやLucasの論文が発表され、その衝撃が世界に広がり始めていた。ケインズ政策が役に立たないことがはっきりし、大学院生はSargentの教科書でマクロ動学を勉強し始め、ケインズ理論で論文を書く研究者はいなくなった。 浜田先生はそういう状況に怒り、「上野公園には失業者があふれている。フリードマンにはそういう人々への思いやりがない」と批判していた。ゼミではBlinder-So
2011年06月15日10:20 カテゴリエネルギー 脱原発は生命を奪う 経済学の重要な(しかも多くの人が理解していない)概念に、機会費用がある。たとえば、あなたが大学に払う学費が年100万円だとしても、大学4年間に失う所得は400万円ではない。大学に進学しないで働いていれば年収300万円を得られるとすると、大学4年間で失われる機会費用は1200万円である。これと学費を合わせた1600万円が実質的な費用だから、それ以上のメリットがなければ進学することは純損失になる。 こうした間接費用は直観的にわかりにくいので無視されやすいが、直接費用より大きいことが多い。原発を停止する作業にかかるコストは無視できるが、日本エネルギー経済研究所によれば、すべての原発が停止して火力発電で電力需要を代替する場合、1年間で3兆5000億円(18%)のコスト増になり、1ヶ月あたりの標準家庭の電気料金が1049円増加
2010年05月02日02:23 カテゴリIT経済 天皇制と2ちゃんねる きのうのニコニコ生放送は、「ネット上の誹謗中傷を考える」というテーマで、3時間もつのかな・・・と思っていたら、冒頭から田原総一朗さんが「私はネットはよくわからない」といって30分ぐらいで本題を切り上げ、「天皇制は是か非か」といったすごい話題になった。そのとき、無理やり本題に戻そうとして、私が「2ちゃんねるは天皇制の鏡像だ」と話したのが、意外に受けたので、ここで解説しておく。 昔のコラムで書いたように、2ちゃんねるのパワーの源泉は、会社に不満をもちながら、それを上司にはいえない平社員のストレスだと思う。そこでは、会社は定年まで脱出できない共同体として自分のアイデンティティでありながら、他方では組織の強い同調圧力がストレスの原因になっている。このように会社の求心力が強いのは、日本が平和だったため国家の最高指揮官としての天
2008年01月24日21:44 カテゴリ本 パンフレットとしての『一般理論』 いわずとしれた経済学の古典中の古典だが、これを最後まで読んだ経済学部の学生は、100人に1人もいないだろう。まず高い。私の学生時代までは、塩野谷九十九訳の古文みたいな分厚い単行本しかなく、5000円ぐらいした。その後も同じぐらいの値段の全集版(塩野谷祐一訳)しかなく、それをソフトカバーにしたバージョンが出たのは1995年。それでも3500円だ。私のような貧乏学生は、丸善から出ている500円の原著を読んだ。 東洋経済新報社は、ケインズの死後50年にわたって独占利潤を得たが、そのおかげでこの重要な本が読まれずに語られた弊害は大きい。著作権がいかに「反文化的」な制度かを示す好例だ。今度やっとパブリックドメインになって岩波文庫に入ったのはめでたいが、訳が最悪なので、ちゃんと勉強する人は原著を読んだほうがいいだろう。 し
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