なぜ、今回のドラマの犯罪者は人工知能なのか。人工知能をどうキャラクターへ落とし込んでいったのか。人工知能開発者であり、番組の人工知能について監修していただいた三宅陽一郎さんと、番組の原作をお願いしたイシイジロウさんに語っていただきました。 ■人工知能は事件のトリックを「作り出す」ことはできない イシイジロウ(以下、イシイ) 今回、人工知能の第一人者である三宅さんにご協力いただいて「人工知能のモリアーティ」が実現したのですが、監修をされていかがでしたでしょう? 三宅陽一郎さん(以下、三宅) まず、単純に犯罪者側が人工知能という設定が面白いですよね。人工知能が出てくるミステリー作品は、人間と人工知能がタッグを組んで一緒に事件を解決する、といったものが多いので。 ――人工知能を専門に研究されている三宅さんとしては、フィクションとリアルの折り合いの付け方は難しくなかったですか? 三宅 そうですね…