意思決定には,「合理性」や「合意性」などが必要だ。これらを欠いた意思決定をすると,予算を削られたり,却下されたりしたプロジェクトの当事者たちは,大きな不満を抱いてしまう。特に部門をまたがって全体最適化をする場面では,関係部門とのコミュニケーションが足りないと,無用なトラブルを起こしかねない。 小川 康 インテグラート 代表取締役社長 前回は,会社や部門レベルで全体最適を図る事業ポートフォリオ・マネジメントのテクニックとツールを解説しました。複数のプロジェクト,事業計画が存在する場合に,どうすれば全体最適に近づけられるのか,ご理解いただけたと思います。こうしたテクニックを基にしつつ,今回は最終的な意思決定時に考慮すべき「コミュニケーション」の問題を取り上げたいと思います。 全体最適を図るには,一部のプロジェクト,事業計画の投資額を削ったり,その分の予算をほかの事業などに回したりする必要があり
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