今やIoTは、聞かない日がないほど注目を集めている。ただし多くの導入ケースで通信コストがネックになる。携帯電話事業者が展開する3G回線やLTE回線を使う場合、相対料金で値下げ交渉した場合でも、1回線当たり月300〜500円程度のコストがかかる。年換算すると3600円であり、それだけのコストを支払っても投資対効果が成立する製品にしか通信機能を入れにくい実態がある。 LPWA分野の通信技術は、そんな壁を崩そうとしている。欧州や米国を震源地に今、仏SIGFOX(シグフォックス)やLoRa Alliance(LoRaアライアンス)、米Ingenu(アンジェヌ)といったLPWAに分類される新興プレーヤーが続々と参入している(表1)。 例えば2009年に創業し、2012年にサービスを開始したSIGFOXは、独自にいち早くIoT特化のネットワークを敷設、フランスやスペイン全土をカバーした。速度はわずか1