[GDC 2011]ストーリーはその時の自分の感情に合わせて制作していった――傑作「アウターワールド」のエリック・シャイ氏による開発回顧録 ライター:奥谷海人 1991年に,日本ではスーパーファミコンでリリースされた「アウターワールド」(原題:Another World)は,当時としてはドラマチックな演出が光る作品で,ゲーム史上に残る傑作として評されることが多い。 ゲーム開発者の中にもそのファンは多く,例えば,上田文人氏が「ICO」を制作するにあたって大きく影響を受けていると発言しているほか,小島秀夫氏や須田剛一氏などが「大好きなゲーム」として公言するほど。欧米においても,名もない若者がぽっと作り上げた本作に,ある種の嫉妬を覚えたクリエイターたちは少なくなかったという。 このアウターワールドを開発したのは,フランス人のゲームデザイナーであるエリック・シャイ(Eric Chahi)氏だ。去年
▲アンスティチュ・フランセ東京の2階で展示中。『アウターワールド』以外にも、近作や初期作品なども見られる。ロトスコープ(実写映像をトレースしてアニメーションを起こす手法)に使った小道具なども展示されている。レアすぎるよ! 20年後もいまだに語られるカルト・クラシック『アウターワールド』 というわけで議論の内容を紹介する前に、一応『アウターワールド』について紹介しておこう。 日本でもスーパーファミコンや3DO向けにリリースされた『アウターワールド』(英題:Another World/Out of This World)は、1991年に発売されたアクションアドベンチャーゲームだ。ポリゴングラフィックによる映像で、テキストやセリフによる説明がほとんど行われずに進んでいく異世界での冒険は、影響を受けた作品やフェイバリットに挙げるクリエイターも多い。 とにかく主人公がやたらと死ぬゲームで、プレイヤー
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