「がんばってください」で被災者は元気になったのか――東日本大震災の内陸部被災者に対する「精神的な励まし」のネガティブな効果 塩谷芳也 社会学・社会階層論 社会 #東日本大震災#震災復興#内部被災者 相手のために良かれと思ってしたことが、かえって相手を困らせてしまう。皮肉な事態であるが、このような事態が東日本大震災下の状況で発生していたのではないかというのが本稿のテーマである。 「がんばってください」といった精神的な励ましは、その意図に反して一部の被災者のメンタルヘルスを悪化させた可能性があり、その背景には被災者が抱える「震災をめぐるアイデンティティ」の問題があったことを議論する。 この研究のきっかけは筆者自身の被災体験である。東日本大震災の発生当時、筆者は東北大学に所属しており、仙台駅から北東に2キロほど離れた場所に住んでいた。津波の被害はなく、自宅も無事であったが、内陸部に居住する一人の
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