著者は、外資系の人事畑出身で、2003年に人材育成の会社設立。当該社のサイトを開くと、「親ゼミ」「親子カウンセリング」なるメニューが気になる。最近は就活生の保護者向け支援サービスに意欲的な様子だ。 このところ、“就活不安ビジネス”を仕掛ける業者が増加中だと聞く。懐疑の精神を忘れない読者は思うだろう。この本も業者の宣伝材料にすぎないのではないか、と。 だが、そんな予想はいい意味で裏切られる。これは就活で苦戦中の大学生がいたら、その母親に抗不安薬として推薦できる1冊である。「まず自分が落ち着け」と夫が妻に一読を促すのもありだろう。 本書の構成は、まず第1章で「今どきの就活」のプロセスを追いつつ、その難しさを説明する。インターネット化で企業側の採用活動が複雑になった背景も浮かび上がる、よく整理されたガイダンスだ。 第2章では「就職活動が始まる前」に戻る。以降、「選考がスタートしたら」「面接が始ま