佐藤:人は何かを見たり、誰かの話を聞いたりした時、心の中で「観察」「分析」「洞察」「表現」というサイクルが回っているんですよ。観察とは情報に触れること、分析とは何かと比較対照して評価すること、洞察はそれをより深めることで、そうして達した結論を何らかの行動として表現するんです。 ところが人によっては、分析や洞察というステップがすっぽり抜け落ちて、観察したことをそのまま口に出すしかできない。「トラブルが起きました。お客様は怒ってます」とかね。これを私は「こうなってますおじさん」と呼んでいます(ITpro『「こうなってます」は何も言っていないのと同じ』) 。 お客さんが怒ってるかどうか見に行かない人よりはましだけど、今起きている現象がどの程度悪いのかとか、なぜそういうことが起きたのかを考えないので、事態収拾に全く役に立たない。こういう人は、部下にとって頼れない上司であるだけでなく、彼自身の上司か