きのう5月9日より、原恵一監督のアニメ映画「百日紅(さるすべり)~Miss HOKUSAI~」の公開が全国で始まった。原作は杉浦日向子のマンガで、江戸時代の浮世絵師・お栄(画号は応為)とその父親・葛飾北斎を中心に物語が展開する。 今回の映画でお栄と北斎を演じるのは杏と松重豊だ(おや、月9ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」の父娘ではありませんか)。 原作者の杉浦日向子が2005年に46歳で亡くなってから、今年でちょうど10年が経つ。そのためか、『百日紅』のほか、今秋には『合葬』の実写映画版(小林達夫監督、渡辺あや脚本、柳楽優弥・瀬戸康史主演)の公開が予定されるなど杉浦作品の映画化の企画があいついでいる。 この機会に、原作の『百日紅』を十数年ぶりに再読した。1980年代に雑誌に連載されたこのマンガは、全30話それぞれが独立した連作である。現在出ているちくま文庫版では、上巻に「其の一」か