『秘密―トップ・シークレット(1)』(白泉社) ――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてけぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女漫画史にさんぜんと輝く「迷」作を、少女マンガ攻略・解析室室長の和久井香菜子がひもといていきます。 最近はいろんな場所に防犯カメラが設置されるようになった。そのため、昔よりもだいぶ犯罪が早期解決するようになったのではないだろうか。遺体が発見されたときも、その人が亡くなったときの映像がどこかに残っていたら、捜査はぐっと楽になるだろう。 いっそのこと、死んだ人の脳みそが何を見ていたのかわかる装置ができたら……? というのが『秘密-トップ・シークレット-』(白泉社)の出発地点である。 「第九」と呼ばれる捜査本部「科学警察研究所 法医第九研究室」には、遺体の“脳みそ”が送られてくる。その脳みそから、被害者や加害
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