昨年11月に川崎港で起きたカンボジア船籍の貨物船の火災で、焼けた船が半年以上、川崎市川崎区千鳥町の市営 埠頭 ( ふとう ) に放置されたままとなっている。移送の責任をめぐり、市と入港手続きを行う船舶代理店の意見が対立しているのが一因で、ほかの船が使用できない状態が続いている。 火災は、昨年11月12日未明に市営埠頭の千鳥町3号係船桟橋で発生。停泊中の貨物船(1514トン)から出火し、消防などが約12時間かけて消し止めた。乗組員の中国人ら10人は、逃げ出して無事だった。市などによると、船には約600トンの金属スクラップが積まれ、ここから自然発火した可能性があるという。 船は香港の船会社が所有し、川崎区の代理店が入港手続きを代行していた。市港営課は火災後、「代理店は、手続きした船について港湾内での責任を負っている。一義的にはトラブル処理も行うべきだ」として、船会社ではなく代理店に船の移送を求