「エッグ・スタンド」は第二次世界大戦中、ナチスドイツ占領下のパリで出会ったキャバレーの踊り子・ルイーズと少年ラウル、そしてレジスタンス活動家のマルシャンを巡る物語。1984年に発表された短編だ。舞台は脚本と演出を倉田淳が務め、劇団スタジオライフにより上演される。 製作発表の前には萩尾と倉田による対談を実施。萩尾は「エッグ・スタンド」を執筆した経緯について、「父と母が戦争を経験している世代なので戦争に興味があった。少しずつ本を読んでいたけど日本を舞台にした作品はあまりにも生々しくて直視できなかった」と切り出す。「20歳過ぎのときに『二十四時間の情事』という映画を観て、非常にショックを受けまして。戦争の悲しみは個々人のうえに落ちてくるものだと感じ、いつかそういう作品を描きたいなと思っていたんです」と振り返った。