法務省の法制審議会・会社法制部会(法相の諮問機関)は7日、企業経営の透明性を高めるため、大企業に社外取締役を起用するよう義務づけることを柱とした会社法改正案の中間試案をまとめ、公表した。 試案には、親会社の株主が子会社役員の責任も追及できる「多重代表訴訟制度」の創設も盛り込んだ。法制審は、来年1月末までパブリックコメント(意見募集)を行い、来夏ごろに要綱案をまとめる。政府は、来秋の臨時国会にも会社法改正案を提出する方針だ。 オリンパスの損失隠し問題や大王製紙前会長の巨額借り入れ事件など経営者の不祥事が相次ぎ、日本企業への不信感が高まっている。このため、企業としがらみのない人物が経営をチェックする仕組みを整えることが必要だと判断した。 会社法では、経営方針を決める取締役を社外から選ぶことは義務づけられていない。中間試案では、大企業に限り、1人以上の社外取締役の起用を義務付け、社外取締役には、