EU(欧州連合)は2020年に再生可能エネルギー(再エネ)の比率を20%にするという目標の下、各国が再生エネの導入を拡大している。特に先行するドイツ、デンマークでは、出力変動の大きい風力、太陽光の増加に伴い、火力発電を中心にした集中型システムから分散型システムへの移行、そして電力需要の制御に取り組んでいる。日経BPクリーンテック研究所がまとめた『次世代社会創造プロジェクト総覧』を見ると、化石資源を前提にしたエネルギーシステムの変革に乗り出した欧州の果敢な姿勢が浮き彫りになる。 電気の50%、熱の65%を再エネで賄う町 ドイツ南西部のフライブルク市は、人口約20万人。市街地へのクルマの乗り入れを規制した交通政策で知られるが、温暖化対策にも熱心だ。省エネや再エネの導入により、2030年までにCO2排出量を1992年比40%削減する目標を掲げる。 こうした同市の環境政策をけん引する先進的な地区と