本日ご紹介するのは「てにをは辞典」 紙の辞書のなかでは最も使用頻度が高く、愛用している。小説の執筆中はいつも手元に「てにをは辞典」を置いている。 ネーミングから、助詞(てにをは)の辞典なのかな、と思われるかもしれない。だが実際には「コロケーション辞典」と呼んだ方がふさわしく、本書は《言葉と言葉の結びつき》を探すための辞典である。詳しくは後ほど。 (ゾウの表紙がかわいい。姉妹辞書の『てにをは連想表現辞典』との比較記事はこちら→「てにをは連想表現辞典」てにをは辞典との比較とレビュー の記事に書いた) 1.何のために辞書を引くのか 小説を書くにあたって、辞書を引く理由はいろいろと思いつく。ボキャブラリーを増やすため、描写の力を上げるため、単語の意味を調べるため……etc しかし、あらゆる辞書において、その本来的な役割というのはたった一言に言い表せる。すなわち辞書の役割とは《代替表現を探すこと》だ