テクニカル分析は、経済学の世界では非常に評判が悪い。 『ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理』(バートン・マルキール著、井手正介訳、日本経済新聞社)はテクニカル分析をボロクソに叩いている。 マルキール氏は「ランダムなコイン投げの結果として描かれたチャートは、通常の株価チャートと驚くほど似ている。時にはサイクルさえ描いてみせる。」と指摘。 「おそらく、テクニカル分析手法に対する最も有効な反論は、投資家による利益最大化の行動がもたらす論理的帰結であろう。(中略)もし一部の人々が、その銘柄の株価が明日四〇ドルになることを知っていたとすれば、株価は明日ではなく、今日ただ今四〇ドルになるだろう。(中略)株価は新たな情報に対して非常にすばやく反応するから、テクニカル分析を試みる努力は決して報われない。」と上手くいかない理由を分析し、にも関わらずテクニカル分析が廃れない理由を、 「チャ