国内有数の会社史(社史)の所蔵で知られる東西の公立図書館による共同企画「社史グランプリ」が、初めて実施された。 日本は「社史大国」と呼ばれるほど、多くの企業が自社の歴史を残している。近年は日本の経営史を学ぶテキストとして国際的に関心を集める。 社史は非売品のケースが多く、触れる機会が少ない。今回のイベントを含め、社史の魅力を知るきっかけを今後も提供してほしい。 共同企画した県立川崎図書館は「工都」として日本の近代化、高度経済成長をけん引した川崎市に、大阪府立中之島図書館は「商都」として発展した大阪のビジネス街に立地している。 こうした地域性を背景とした設立の経緯から、両図書館は社史を積極的に収集してきた。その結果として、生きた産業史の記録、発信の役割を担うことになった。 県立川崎図書館は1958年の開館以来、「工業図書館」として自然科学、工学、産業分野の書籍を収集。特に社史は1万