◇除染で前倒し図る 汚染物質「福島に保管施設」 菅首相、知事に陳謝 政府は27日、福島市内で開かれた「福島復興再生協議会」で、年間被ばく線量が200ミリシーベルトと推定される地点では、除染しない場合、帰宅可能な水準(年20ミリシーベルト以下)まで線量が下がるには20年以上かかる可能性があるとの試算結果を示した。菅直人首相は27日、福島県庁で佐藤雄平知事と会談し、東京電力福島第1原発周辺の放射線量が高い地域について「長期間にわたって住民の居住が困難な地域が生じる可能性は否定できない」ことを認め、「心からおわび申し上げたい」と陳謝した。 放射性物質が風雨で拡散されることなどにより、被ばく線量は除染なしでも自然に低下していく。試算結果によると、帰宅可能水準まで被ばく線量が下がるには、現在の推定線量が100ミリシーベルトの地点で10年程度、50ミリシーベルトの地点で4年程度かかる。この期間をより短
【上海・隅俊之】6月末に開業した北京-上海間の高速鉄道(中国版新幹線)で使われている最新型車両のうち、独シーメンス社の技術を基に開発された車両に故障が相次ぎ、出荷停止となっていることが分かった。製造元の中国北車が明らかにした。 北京-上海間では中国北車の「CRH380BL」型と、中国南車が日本の川崎重工業などの技術を基に開発した「CRH380AL」型が主力車両として投入されている。中国紙、21世紀経済報道によると、これまでに発生した故障38件のうち37件が北車の車両に集中。列車の速度や車体の温度、煙などを感知するセンサーが過度に反応し、列車を自動的に減速・停止させる「自動列車保護装置」(ATP)が作動して緊急停車が頻発している。
株主総会であいさつする勝俣恒久会長(中央奥)。顔も分からない=東京都千代田区の東電本店のテレビ映像より28日午前10時、木葉健二撮影 ◇壮大なすれ違い劇 溶け落ちた炉心は冷やし続けるしかないのに、使われた水は放射能で汚染されていく。その処理費用も被災者への賠償総額も見当すらつかない東京電力の福島第1原発事故だ。存続すら危ぶまれる経営状態と事故の責任をどう株主に説明するのか。東電の株主総会を取材した。【浦松丈二】 ◇不鮮明な中継画面、壇上の顔見えず 28日午前、東京都港区のホテル、ザ・プリンスパークタワー東京周辺は、総会にやってきた1万人近い株主と、反原発・脱原発を訴えに詰めかけた人々でごった返した。 10時前、千代田区の東電本店3階大会議室で、報道機関向けの総会中継が始まった。昨年は総会と同じホテルだったが、今年は「会場の都合」で本店での中継。こちらは打って変わって静か。会場の熱気から取材
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県宮古市の宮古港近くで、大きく被災しながら営業するホテルがある。部屋は救援にあたる医療関係者やがれき撤去、仮設住宅建設などにあたる作業員らで常に満室。いったんは廃業を決めた経営者が「復興のために」と再開したホテルだ。【片平知宏】 ホテル海幸園(6階建て、25室)。津波の際は2階の床上約40センチまで浸水。経営する千束(せんぞく)諭さん(58)と妻千寿子さん(59)はホテルで作業中だったが、近くの高台にある漁協ビルに避難し難を逃れた。 津波のあとホテルに戻ると1階の食堂やフロント、厨房(ちゅうぼう)には他の家の家具などが流れ込み、壊滅状態だった。所有していた車や舟も流された。廃業を覚悟して従業員に解雇を伝え、内陸への引っ越しも考えた。 だが、建設業者や市の担当者から「宮古に宿泊場所がないため、土木作業員が内陸部から通っていて作業がはかどらない」と聞かされ
住民に深々と頭を下げ、謝罪する鼓紀男副社長(右から2人目)ら東電関係者=福島県飯舘村で2011年4月30日、須賀川理撮影 東京電力の鼓(つづみ)紀男副社長が30日夜、福島第1原発の事故で全域が「計画的避難区域」に指定された福島県飯舘村を訪れ、東電側の説明を聞くために集まった1000人以上の住民に謝罪した。時折怒号も飛び交う中、住民は東電の責任を追及し、移転費用や家畜などの被害の補償を求めた。 説明会は村立飯舘中学校の体育館で行われ、鼓副社長は「誠に申し訳なく深くおわび申し上げます」と謝罪した。東電側は、事故収束に向けた工程表や、仮払補償金について説明。政府の原子力損害賠償紛争審査会がまとめた指針に基づき賠償する意向を示した。 説明会に先立ち、鼓副社長は菅野典雄村長と面会。菅野村長は「村民は心が張り裂けそうな思いでいる」と誠意ある対応を求め、鼓副社長は「ご心労をおかけして申し訳ありません」と
全国から寄せられた激励メッセージへの返事を書く箱石佑太君(左手前)=岩手県山田町の町立大沢小で2011年4月4日、篠口純子撮影 「お父さんが軽トラでもどっていった姿を見ました。津波にのみ込まれませんように。そう祈っていました」。巨大地震と大津波が東日本を襲ったあの日、子供たちは何を見、その後をどう生きたのか。岩手県山田町の町立大沢小学校を3月に卒業した箱石佑太君(12)が毎日小学生新聞に寄せた体験日記には震災と向き合う姿が率直につづられていた。 ◇3月11日 卒業式の歌の練習をしていました。とてもゆれの大きい地震が来ました。最初は単なる地震だと思っていました。大津波警報が出ても、どうせこないと思っていました。来たとしても10センチメートル程度の津波だと思っていました。全然違いました。ぼくが見たのは、国道45号線を水とがれきが流れているところです。お母さんとお父さんが津波が来る前に大沢小に来
人気アイドルグループだったキャンディーズの元メンバーで、女優の田中好子(たなか・よしこ)さんが21日午後、乳がんのため東京都港区の病院で死去した。55歳。 東京都生まれ。1973年、伊藤蘭さん、藤村美樹さんとともに、キャンディーズの一員として「あなたに夢中」でデビュー。スーちゃんの愛称で親しまれた。キャンディーズは「春一番」「微笑がえし」などのヒット曲を連発したが、人気絶頂の78年に解散、田中さんも芸能界を引退した。 80年に芸能活動を再開。存在感ある演技派女優として活躍した。映画「鉄道員(ぽっぽや)」「鏡の女たち」など、テレビドラマ「おんな太閤記」「幸福の黄色いハンカチ」「おしん」「ちゅらさん」などに出演。89年の映画「黒い雨」で、毎日映画コンクール女優主演賞などを受賞した。国立国際医療センター顧問も務めた。
福島第1原発事故を受け東京に避難している人たちを9日から受け入れる旧グランドプリンスホテル赤坂(東京都千代田区)の利用希望者が、対象者の3割程度の140世帯約360人にとどまったことが、都の集計で分かった。 都は、3月末で閉館したホテルを利用し、解体準備が始まるまでの3カ月間、より快適に過ごしてもらう狙いだった。しかし、原発事故が長期化し、避難者から「長く住める公営住宅を拠点に仕事を見つけたい」「落ち着いて住める所から子どもを学校に通わせたい」などの声が寄せられたという。 東京武道館(足立区)に避難している福島県いわき市の男性(33)は都営住宅を申し込んだが落選。「新1年生の長男がいるので、原発が心配で帰れない。都営住宅で仕事を探したい。ホテルに行ってまた移動では、子どもを何度も転校させることになる」と話した。 避難者対策の目玉だっただけに、都の担当者は「思ったより少なかったと言わざるを得
厚生労働省は6日、福島県で3、4日に採取した野菜41検体のうち、ホウレンソウやシノブフユナ、クキタチナなど26検体から食品衛生法の暫定規制値を超える放射性物質が検出されたと発表した。 今回初めて、西郷村のビタミンナから暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)の19.2倍に相当する9600ベクレルの放射性セシウムが検出されたが、いずれも政府が出荷・摂取制限を指示している葉物野菜などで、市場には流通しない。最高値を示したのは大玉村で採取したホウレンソウで、放射性セシウムが暫定規制値の44倍の2万2000ベクレル、放射性ヨウ素(暫定規制値は1キロ当たり2000ベクレル)が2100ベクレル検出された。【佐々木洋】
東京電力福島第1原子力発電所の事故処理に当たる作業員の多くが、被ばく量を測る放射線量計を携行していなかったことが分かったが、現場では実際にどのように作業が進められているのか。原発敷地内で数日間働き、自身も線量計を持たなかった東電社員の男性が毎日新聞の取材に応じ、作業実態の一端を明かした。【中川聡子、日下部聡】 ◇家族に告げず 男性は3月中旬、上司から福島出張を打診され、「行きます」と応じた。その夜、本社に集合。幹部から「とりあえず行け。何とかしてこい」と言われ、着の身着のまま他の20~40代の作業員数人とワンボックスカーに乗った。「家族には心配をかけるだけだから福島行きは報告できなかった」。一方、友人には「2週間たって帰ってこなかったら両親に連絡してくれ」と頼み、出発した。 作業は外部電源の引き込みだった。でも「現場がどうなっているのか、原発に入るまで全く分からなかった。既に同僚ががれきを
原発事故の報道に強烈な居心地の悪さを感じている。その理由を突き詰めていくと、メディアが安易に使う「想定を超えた」という言葉のせいだと思い至る。眼前で今起きている事態は本当に想定外だったのか。 《最大の水位上昇がおこっても敷地の地盤高(海抜6m以上)を越えることはないというが、1605年東海・南海巨大津波地震のような断層運動が併発すれば、それを越える大津波もありうる》 《外部電源が止まり、ディーゼル発電機が動かず、バッテリーも機能しないというような事態がおこりかねない》 《炉心溶融が生ずる恐れは強い。そうなると、さらに水蒸気爆発や水素爆発がおこって格納容器や原子炉建屋が破壊される》 《4基すべてが同時に事故をおこすこともありうるし(中略)、爆発事故が使用済み燃料貯蔵プールに波及すれば、ジルコニウム火災などを通じて放出放射能がいっそう莫大(ばくだい)になるという推測もある》 すべて岩波書店の雑
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く