待ち時間を解消しCXを高める 「コールセンターに電話をかけて、長時間待たされた経験がある人はきっと多いはず。生成AIを活用すれば、問い合わせへの返答までのタイムラグが短くなり、顧客体験価値(CX)が上がる。オペレーターにとってもやりがいを感じられるのではと考えた」 東京メトロのCX・マーケティング部長の川上幸一さんは、問い合わせへの生成AI活用の経緯をこう話す。 同社には年間、約25万件の問い合わせが寄せられる。このうち、15万件が電話、10万件がメール経由。オペレーターへの負担が大きい電話やメールでの問い合わせを減らすため、Webサイト上でチャットボットサービスも提供していたが、チャットボットを通じての問い合わせは、年間わずか1万2000件にとどまっていた。 「微妙につぼを外すマッサージ師のように、聞きたいこととは違うFAQを返してくる、あまりいけていないチャットボットでした」(川上さん