この問題ですが、海外と秘密を共有する際に、日本も流出防止の法制が必要だというのが今回の法制化の根拠として言われています。そして、その秘密情報を共有する主要な相手国として、アメリカが想定されています。ですが、そのアメリカから見ると、どうして「今」必要なのかが、どうしても理解できないのです。三点、疑問を提起しておきたいと思います。 一点目は、この間の「テロとの戦い」において、秘密情報の共有ということは、果たして良い結果を生んだのかという問題があります。例えば2003年のイラク戦争の開戦に当たって、アメリカのブッシュ政権は「サダム・フセインが大量破壊兵器を持っているという証拠」があるとして、それを「一般には公開しない」ことを条件に「同盟国の首脳には見せた」という経緯があります。 現在はこの情報は虚偽であったというのが米国政府の公式見解であり、ブッシュ大統領(当時)本人も情報が誤りであったことを認