7月18日、海の日の月曜日、私は、ソファに転がって夜7時のHNKニュースをぼんやり眺めていた。すると、「ソフトバンクが英ARMを3.3兆円で買収」が報じられた。私は全身に電流が走ったように起き上がり、思わずソファに正座してニュースに見入ってしまった。 第一声は「何だってー!?」、第二声は「まさか!」であった。あまりのことに驚き、そんなことがありえるのかとにわかには信じられなかったのだ。 しばし呆然としたが、数十分もすると我を取り戻し、孫正義社長の壮大な野望がじわじわと理解できるようになった。そして、「10年前から買収を考えていた」という孫社長が恐ろしいとすら感じた。 市場も世間も理解できていない ところが、翌朝に日経新聞やネットの記事などを見て、市場も世間もこの買収をあまり評価していないことが分かった。特に、43%以上のプレミアを乗せて3.3兆円もの大枚をはたいたことに批判が集中している。