ビッグデータを分析する「データサイエンティスト」という職種が注目を集めている。データを分析するスキルや、どのようなデータを集めてくるか、というセンスが必要になる。だが、こうした社会の流れと逆行するような「データ」が出てしまったのが、2011年に日本数学会が実施した「大学生数学基本調査」(以下、基本調査)だ。 ビッグデータの使い方が企業の死活問題となりうる現代では、文系・理系を問わず「数学抜きで語れない」と話すのは、国立情報学研究所の新井紀子教授。ビッグデータを活用でき、なおかつ世界に通用するビジネスマンになるために必要な“数学脳”とは? 基本調査を踏まえ、入試や教育のあり方から、数学な苦手という文系人間への「処方せん」まで、解説していただいた。 如実に表れた「数学力」の低下 ―2013年3月に、基本調査の後に行われた「フォローアップ調査」の結果が公表されました。 新井氏:これまで日本人は「