ビジネス系のノンフィクション書籍編集者なら知らぬ者はいないフリーライター、上阪徹さん。その仕事ぶりは、まばゆいばかりです。『書いて生きていく プロ文章論』(ミシマ社、2010年)などの自著でも知られていますが、「ゴーストライター」として年間10冊以上も本を書き、その多くをベストセラーにする活躍は、この15年あまりの間に得た収入が4億円という金額からして、従来のフリーライターの常識を超えています。 しかし、これだけ凄腕の書き手の職種名が、誰でも名乗れてしまう「フリーライター」や、ましてや「存在しないこと」が前提になっている「ゴーストライター」では、あまりにヒドいではないか、と私は思っていました。それがこの企画の出発点でした。 出版業界の内幕話をしましょう。本の作り方にはさまざまな手法があります。著者が書くのが、昔からあるオーソドックスな手法です。文芸作品はすべてそうして書かれています。では、