【第261回】『プレイフル・ラーニング ワークショップの源流と学びの未来』(上田信行×中原淳、三省堂、2013年) いま、改めて、ワークショップとはなにか。厳密な定義づけじたいにあまり意味はないだろうが、その歴史的な変遷と、発展してきた背景を眺めることに意義がある。ワークショップを日本に導入して草の根の活動を続けてきた上田氏の研究と変遷の歴史を振り返る形式で、ワークショップのあり方や可能性が垣間見える。 僕の考えでは、ラーニングサイエンスと、ラーニングアートは、同じ目的を共有している活動のように見えます。ラーニングサイエンスは、学習に対して科学的なアプローチをすることで隠されている学習の性質を明らかにし、そのことをもって人々の学習観に揺さぶりをかけます。一方、上田先生が提唱したラーニングアートは、「こんなコンセプトどうでしょう?」と、アートとして表現することによって従来の学習観に裂け目を入