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2009年5月15日のブックマーク (2件)

  • [書評]アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ(ジョー・マーチャント): 極東ブログ

    文明というもの、それに内包される科学知識や技術というものは、徐々にそして段階的に進展していくと通常考えられている。だから古代は、現代よりも科学技術にはおいて劣っていたとみなされて当然だが、古代が我々に直接伝える遺物には、科学技術進展の原則を疑わせる物がまれに存在する。とりわけ人の驚きを誘うのがオーパーツ(OOPARTS:Out Of Place Artifacts)だ。ギリシア人の感嘆の声、オーパ!をもじったものだろうか。「アンティキテラ島の機械」と呼ばれる、小さな古代の遺物を知った現代人は、間違いなく感嘆の声を上げるに違いない。 書、「アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ(ジョー・マーチャント)」(参照)は、現代の人間がいまだに知りえない、古代ギリシアの科学技術を探求する過程を描いた作品で、その過程もまた驚嘆を誘う。SF作家アーサー・C・クラークがこの機械を知ったとき、「この知識

  • 「努力が足らない」だと?~『排除の空気に唾を吐け』 雨宮 処凛著(評者:山岡 淳一郎):日経ビジネスオンライン

    たとえば、派遣切りに合った若者に「きみは努力したのか」「もっと能力を磨け」と説教を垂れるオヤジがいる。シングルマザーが幼い子を抱えて働けど働けど貧しさから脱け出せず、生活保護を申請すると「あなたと同じ境遇でもガンバッテル人がいるじゃないの」「家族に助けてもらいなさい」と追い返す福祉事務所の職員がいる。 わたし自身、このような「もっともらしい」台詞を口にしたことがないと言えば嘘になる。だが、書を手にとって、「もっともらしい」反応が、どれだけ貧困の構造を見えなくするか、また貧困い物にするシステムを蔓延させているかを再認識させられた。ワーキングプアを「人のせい」と決めつけ、公共の問題から排除し続ければ、社会は間違いなく崩れていく。 書は、その排除の空気に強烈な「ノー」を突きつけた闘争の書として読める。 〈よくフリーターに説教するオヤジなどがいるが、そういう人の前では、バブル期の就職内定

    「努力が足らない」だと?~『排除の空気に唾を吐け』 雨宮 処凛著(評者:山岡 淳一郎):日経ビジネスオンライン