→紀伊國屋書店で購入 「子どもの貧困問題は、まだ市民権を得ていなかった」 格差社会についての文献を読み継いできましたが、子どもの経済格差については知りませんでした。そのような情報が少なかったからです。いえ、そんなことはないでしょう。情報があったとしても、それを深く考えてこなかった。子どもの問題は、語られつくしている「はず」なのだから、情報も専門家も多くいて、それなりに問題解決のために前進しているのだろう、となんとなく思っていたからです。 本書は、その思いこみを打ち砕きました。読了して、子どものいるすべての人に読んで欲しいと心から思いました。 人間として「許すべきではない生活水準=貧困状態」で生活する子どもたち、は語られてこなかった。 著者の阿部彩氏は、2008年5月に『週刊東洋経済』が「子ども格差」と題する特集を組んだことに触れて、「とうとう「子ども」と「格差」が同じ土俵でマスメディアにて