スタートアップ企業への投資・育成を手がけるMistletoe(ミスルトウ)の孫泰蔵社長兼CEO(最高経営責任者)はご存じの通りソフトバンクグループの孫正義社長を兄に持つ。だが、兄が偉大な起業家であっても、「比較されてイヤ」「プレッシャーだ」と感じたことは一度もないという。 「兄は兄、自分は自分」という考えの基になっているのは天台宗の開祖・最澄が残した「一隅を照らす」という言葉。誰も気づいていない一隅にスポットライトを当て、「何とかしよう」と変化を起こすことこそ尊い。一人ひとり、バックグラウンドや環境に応じた自分なりの一隅を照らすことが大事なのだと泰蔵氏は強調する。連載最終回の今回は泰蔵氏が心に留める言葉や愛読書を紹介する。 私は四人兄弟の末っ子。ソフトバンクグループ社長の孫正義は次兄です。 若い頃から繰り返し言われてきたことがあります。 「お兄さんと比較されるから大変ですね」 「偉大な兄が