8年連続赤字、債務超過、社員のボーナスはゼロ……。メガネスーパーの星﨑尚彦社長は、倒産寸前で思考停止の社員をいかに鼓舞し、業績をV字回復させたのか。ファンドに請われて入社後、いきなり直面した「壁」について自ら振り返る。 「やばいな」。それがメガネスーパーの第一印象でした。床は汚い、天井に穴が開いている。社員は暗い顔で下を向いているか、不平不満をこぼしているかでした。 当時、メガネスーパーは格安眼鏡チェーンの台頭で業績が低迷し、債務超過に陥っていました。2012年からは投資ファンドのアドバンテッジパートナーズの下、経営改革を進めていましたが、業績は上向かなかった。 ほしざき・なおひこ 1966年生まれ。早稲田大学卒業後、三井物産に入社。スイスにあるビジネススクール、IMDでMBA取得後、フラー・ジャコー、ブルーノマリなど外資系企業の日本法人トップを務める。2011年からはアパレルメーカー、ク