「社会は、技術だけでは変わらない」国産OS『TRON』を生んだ賢人、イノベーションを語る【連載:匠たちの視点-坂村健】 2013/02/18公開 東京大学大学院教授 工学博士 坂村 健氏 1951年東京生まれ。日本を代表するコンピュータ・アーキテクト(電脳建築家)。純国産コンピュータ・アーキテクチャーである『TRON』の提唱者であり、プロジェクトリーダーとして知られる。現在は東京大学大学院で後進育成に携わるかたわら、執筆や講演活動も精力的にこなす。SF評論家、コラムニストとしての一面も。近著の『毛沢東の赤ワイン』(角川書店)が好評 時は1984年。日経平均株価が初めて1万円の大台を越え、日本が経済大国への階段を軽やかに駆け上っていた当時、東京大学理学部情報科学科で助手を務めていた坂村健氏は、自ら思い描いた世界を実現すべく奔走を始める。 目指したもの。それは彼自身が“The Real-tim