静岡県の川勝平太知事は22日の記者会見で、リニア中央新幹線開通後に県内で東海道新幹線の停車本数を増やすための政府の調査を巡り、今夏をめどとしていた取りまとめが進んでいないことに苦言を呈し、「暦の上ではもう秋。夏までというのはどうなっているのか」と述べた。 調査は、岸田文雄首相が1月の年頭記者会見で実施を表明していた。川勝氏は会見で「なぜ遅れているのかを含め、首相にお示しいただきたい」と訴えた。 県は、リニア静岡工区の工事によって大井川の流量減少や生態系への悪影響が出るとして、着工に反対している。 国土交通省は、静岡県内の東海道新幹線の利便性が向上することを示し、県側の理解を得たい考えだが、当初予定の東京・品川―名古屋間の令和9年開業は困難となっている。