専門部署がある企業はわずか16%。スペシャリストが求められるが CRE(企業不動産)戦略の重要性は、固定資産の評価を反映させる減損会計の適用といった背景や国土交通省の後押しもあって、近年各所で指摘されている。企業が所有するあらゆる不動産を、単に物理的な生産財としてだけではなく、経営戦略の視点から効率的に資産活用して、企業価値そのものの向上に繋ぐというのがCRE戦略の概念だ。 だが、こうした啓発活動や一部の先行事例の影で、日本企業においてCRE戦略の実施が進んでいない実態も明らかになってきた。法人向け不動産サービス大手の三菱地所リアルエステートサービス株式会社が従業員100人以上の企業の経営層300人を対象に2014年9月に実施した「経営層と企業不動産に関する調査」によれば、「CRE戦略の実行の予定はない」あるいは「わからない」とした経営者が75.3%に上るという。また、「予定はない」とした