2022年8月24日発売「ラジオライフ」10月号の記事、「鳥取県に有害図書指定の理由を聞いてみた」の全文をPDFで配布します。 現在、鳥取県の条例改正により、鳥取県で有害図書に指定されるとAmazonで販売停止になることが発覚いたしました。 鳥取県で本を販売することが、もはやリスクといえる事態です。 条例の適法性と審議のプロセスを含め、有害図書の問題に関してここで1度考えておくべきではないでしょうか。 本記事がそのきっかけになれば幸いです。 ぜひご一読下さい。
昭和14年8月、陸軍大将の阿部信行を首相とする内閣が成立し、10月には価格等統制令が公布された。日中戦争の影響で生活物資が不足したことによる物価高騰を抑えようとしたが、逆に闇取引が横行し、物価の高騰を抑えきれなかったといわれる。 ドイツ留学でハイパーインフレーションで市民生活が苦しめられた窮状を見た世耕弘一には、この価格等統制令で物価が上がることは許すことのできないことだったとみられ、弘一は当時属していた政友会正統派の機関誌「立憲政友」(15年1月刊行)で「諸事統制廃止之事(しょじとうせいはいしのこと)」と題する文章を発表している。 ただ、これは国家総動員法に基づく統制経済を批判したとして、刊行直後の1月13日に削除処分を受けている。削除が徹底されたためか、全文は確認されていないが、弘一の生涯を研究する近畿大学名誉教授の荒木康彦が、処分を記録した警保局図書課「出版警察報」第125号に抄録さ
〇千代田図書館 『検閲官-戦前の出版検閲を担った人々の仕事と横顔』(2017年1月23日~4月22日) 面白そうな展示をやっていると聞いたので、見てきた。千代田図書館は、一度だけ利用したことがある。九段の千代田区役所の9階と10階に入っていて、平日22時まで開館し、ビジネス支援に力を入れている図書館である。キャッチフレーズは「あなたのセカンドオフィスに」だ。そんな図書館が出版検閲をテーマにした展示というのは、なんとなく似合わない感じがしながら、行ってみた。会場は通路のようになった「展示ウォール」という一角で、10数枚のパネルとその前に設置された書棚や展示ケースで構成されていた。 戦前の日本では、明治期から「出版条例」と「新聞紙印行条例」に基づく検閲が行われていた。明治8年(1875)から内務省の所管するところとなり、警保局保安課、同図書課などを経て、昭和15年(1940)には情報局が設置さ
旧内務省が行っていた内閲業務の痕跡を示す、小山いと子さんの小説「指にある歯型」の校正刷り=東京都目黒区の日本近代文学館で 戦前から戦中にかけ、出版物の検閲を担っていた当時の内務省が、雑誌などに掲載予定の原稿を事前に読んで掲載可否を判断した「内閲」と呼ばれる業務の痕跡を示す「校正刷り」が、東京都目黒区の日本近代文学館に保管されていることが分かった。戦時下での出版検閲の実態を解明する上で貴重な資料だ。(久間木聡) 校正刷りは、直木賞作家の故・小山いと子さん(一九〇一~八九年)が日中戦争の始まった三七(昭和十二)年、雑誌「日本評論」の依頼で執筆した小説「指にある歯型」の計二十枚。同館の依頼で調査に当たった中京大文学部の浅岡邦雄教授(68)=近代出版史=によると、一枚目に「図書課長」「事務官」「理事官」の印があり、旧内務省図書課による内閲業務の跡と判明したという。 「陰惨。醜穢(しゅうわい)。残忍
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く