"クライマー事件の概要(4) - 火薬と鋼"→ ひとまずこの事件についての一連のエントリは今回で終わる。 ここまでの流れで、図書館は迷惑行為やその対応を規則で定めて行動しても、その規則内容や執行が問題になることが分かったと思う。それは、図書館の自由や権利といった基本理念にまで関わる問題であると同時に規則が恣意的に使われる/使われない可能性があるということなのだ。翻って日本の図書館で迷惑行為に及んだ利用者を退去させるとしたら、その判断の根拠はどうなるだろう。根拠はその場その場の職員の主観しかない。日本のほとんどの図書館は利用者の行為に対して成文化された、図書館内で統一をとった合理的な判断基準など持ち合わせていないのである。 アメリカ図書館協会の対応 地裁判決後、アメリカ図書館協会(American Library Association, ALA)は、モリスタウン図書館側から控訴裁のための準