天声人語は日本一のコラムである、と言われたらどうするか。 いや、まったくその通りです。ごめんなさい、おっしゃる通り日本一です。勝てません。勝てるわけがない。 だって、新聞紙面は第一面の下あたり、広告が並ぶそのすぐ上の横長の割り付け。字数にして800字もない。 これをほぼ毎日、何十年も書き続けてきた、というのが歴代の執筆者のご自慢のようで、実際、天声人語担当者の書いたものを読めば、ご自分がどれだけ苦労をし、体調を崩してまで頑張ってきたか、というのを綿々と語るのがお約束。最近では、連続試合出場記録更新中のかの阪神・金本選手を引き合いに出して、自分も20年休んでいない、と「鉄人」ぶりを自画自賛。その他、「人か魔か、信じられない」「あまりの気迫に、執筆中はだれも近寄れない」「その姿はまるで、自分の羽根を一本一本抜いて機を織りあげる「夕鶴」である」……「天人子」(担当者は社内でこう呼ばれるそうです)