タグ

ブックマーク / king-biscuit.hatenablog.com (12)

  • 定年退職、の弁 - king-biscuit WORKS

    *1 この3月末日をもって、札幌国際大学を定年退職することになりました。ここ数年、裁判沙汰であれこれお騒がせもしましたが、まあ、これでひとまずの区切りということになります。*2 まず、真っ先に考えてやらねばならなかったのが、この間、大学に「拉致」されていたや資料のその後の身の振り方でした。 大学教員が定年になる、たいていその少し前から、ふだんはたまに遊びにくる程度だった古屋のオヤジがマメに出入りするようになり、研究室の蔵書の処分に目星つけてくれるようになって……といった話は先輩がたから聞かされてましたし、実際、そういう光景もいくらか眼にもしてきましたが、でも、そんなのはもうすでに昔話。若い世代なら電子化された文献や資料ベースの日常になっているようですし、年寄りは年寄りで、実務家系の特任教員で年金の足しになれば、程度の了見で大学にやってきたような人たちなら、日々の講義くらいはそもそも新た

    定年退職、の弁 - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2024/04/06
    本が戻って良かった(。・_・。)ノ
  • 草刈場のガクモン――菊池暁『柳田國男と民俗学の近代』 - king-biscuit WORKS

    柳田国男と民俗学の近代―奥能登のアエノコトの二十世紀 作者:菊地 暁 吉川弘文館 Amazon 出世するぞ、こいつ。 いや、皮肉でも何でもなく、マジメにそう思うんだわ、ほんと。 菊地暁の『柳田国男と民俗学の近代』なんてタイトルのが出ていたもんで、ほんとなら特集の方でとりあげてもいいんだけれども、早い方がいいと思ってこっちでやっとく。 民俗学まわりでスジの悪くないまとまった仕事がこういう形で出てくること自体、かなり珍しいわけで、しかもそれが三十代そこそこのイキのいい若い衆のものだったりするなんて、宝くじにあたるようなもの。それだけでもひとまずありがてえや、と言っておこう。 京大史学科出身で民俗学まわりに首突っ込んで、阪大の日学科の大学院で博士論文書いて、でもってそれがこういうになってまとまって、なおかつ今じゃ京大人文研の助手とくる。う~む、どだい偏差値がまるで違うな、こりゃ(笑)。 京

    草刈場のガクモン――菊池暁『柳田國男と民俗学の近代』 - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2022/03/20
    なるほど。こういう書評もありかぁと思った。全然違うけど、この前書評を頼まれて、読んでみてから頭抱えたことがあったなぁわちき。
  • 天声人語は日本一? - king-biscuit WORKS

    天声人語は日一のコラムである、と言われたらどうするか。 いや、まったくその通りです。ごめんなさい、おっしゃる通り日一です。勝てません。勝てるわけがない。 だって、新聞紙面は第一面の下あたり、広告が並ぶそのすぐ上の横長の割り付け。字数にして800字もない。 これをほぼ毎日、何十年も書き続けてきた、というのが歴代の執筆者のご自慢のようで、実際、天声人語担当者の書いたものを読めば、ご自分がどれだけ苦労をし、体調を崩してまで頑張ってきたか、というのを綿々と語るのがお約束。最近では、連続試合出場記録更新中のかの阪神・金選手を引き合いに出して、自分も20年休んでいない、と「鉄人」ぶりを自画自賛。その他、「人か魔か、信じられない」「あまりの気迫に、執筆中はだれも近寄れない」「その姿はまるで、自分の羽根を一抜いて機を織りあげる「夕鶴」である」……「天人子」(担当者は社内でこう呼ばれるそうです)

    天声人語は日本一? - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2021/06/20
    「確かに、国語の教師の中には、「天声人語」を要約しろ、と真顔で言う手合いがいました」 昭和時代後期の話ですなぁ(´・ω・)ノ いまいるのかしら???
  • 「歴史」の蒸発 - king-biscuit WORKS

    歴史」が蒸発し始めている。 いきなりこんなことを言い出しても大方の読者にはピンとこないだろうが、しかし、曲がりなりにも「歴史」に関わる領域に足つけて仕事をせざるを得ない身にしてみれば、この危機感というか焦燥感は最近ますます切実なものになってきている。 たとえば、「歴史」と名のついた雑誌の売れ行きがここ十年の間でゆっくりと、しかし確実に下降線をたどっている。新たに創刊される雑誌でも、「歴史」と名がつけば取り次ぎがいい顔をしないと聞く。地方史や郷土史、あるいはそれらと重なってきたはずの民衆史や民俗学といった領域も含めて、「歴史」が良くも悪くも一般的な読書人の一般教養として想定されていた時代からすでに遠く、また、それらを支えるべき地方の研究会や学会といった組織自体、新たな会員を引き込めなくなりどこも高齢化が著しい。 それは、少し焦点を広げて考えれば、いわゆる総合雑誌の読者層が高齢化してゆき、新

    「歴史」の蒸発 - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2021/02/11
    「専門家としての地道な作業を否定するのではない。その作業を世間のリアリティとの間にうまく翻訳してつないでゆく、その仕掛けについての考慮があまりにない、その状況」 歴史学と歴史趣味の架橋(´・ω・)ノ
  • 「立花 隆」のつくられ方 - king-biscuit WORKS

    *1 メディアが英雄を作り出す手癖、というのがあります。 英雄、というのが大げさならば、うっかりとあらぬところに人を祭り上げてしまうからくり、とでも言い換えてもいいでしょう。 何も今に限ったこっちゃない。人が言葉と意味の動物であることを始めた昔から、あらゆる英雄は語られる存在としてあり続けてきました。それはマスメディアの濃密に張りめぐらされた〈もうひとつの自然〉となったいまどきの情報環境に生きるあたしたちとて、例外ではない。 かくいう立花隆センセイも、今やそういう同時代の英雄のひとりです。 なにせ、「知の巨人」であります。政治から先端科学までを手あたり次第に網羅する何でもありな好奇心に、それを支える日々倦むことなきものすごい読書量を誇る日屈指のおベンキョ屋。この世知辛いご時世に筆一であっぱれおっ立てた自前の鉛筆ビルは壁一面に黒の顔をあしらったファンシーなもので、中身はあまたの書物と資

    「立花 隆」のつくられ方 - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2021/02/01
    初手からオカシナ人としての立花隆。むしろ環境がペンの神話を作ったとする。書くより読む・調べる人だとも。わちき的には大宅文庫の神話形成者、自身膨大な蔵書家である点に興味。父親の史料が文圃閣から復刊予定
  • 第1回口頭弁論 冒頭意見陳述 - king-biscuit WORKS

    *1 裁判を始めていただくにあたって、冒頭、少しだけ自分の今の気持ちを述べさせていただきます。 自分は1989年以来、大学や研究所の教員として生活してきました。2007年以来、縁あってご当地の札幌国際大学に教員として勤めてまいりました。同時にもちろん、研究者としての研究も行なってきました。 それらがおよそ正当な理由と手続きのないまま、しかも懲戒解雇という労働者としては最も厳しい処分で職を追われることになった、そのことについては言うまでもなく非常なショックを受け、困惑し、大きな憤りも感じています。 ただ、ひとつはっきり申上げておきたいのは、それらと共に、あるいはそれ以上に、公益法人である大学という機関がこのような異常とも言える処分をくだすにいたった、その背景の詳細とその是非について、この法廷の場で、法と正義に基づいたまっとうな判断を下していただくこと、そしてその過程において、大学の中でどのよ

    第1回口頭弁論 冒頭意見陳述 - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2020/10/27
    わちきも信じてをるですよ (っ*´Д`)っ「「学問の自由」を教員も学生も共に、同じ「学生」、古い言い方を敢えてするならば平等な「書生」という立場で、保障されるべき場所だろうと思ってきましたし、今もそう信じ」
  • 書評・七尾和晃『闇市の帝王――王長徳と封印された「戦後」』 - king-biscuit WORKS

    闇市の帝王―王長徳と封印された「戦後」 作者: 七尾和晃 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2007/01/24 メディア: 単行 購入: 2人 クリック: 30回 この商品を含むブログ (7件) を見る 目論みは悪くない。なにせ「闇市」だ。しかも、これまでほとんど表だって言及されてこなかった人物、王長徳の話、とくる。素材も頑張って集めている。指の動かないわけがない。 王長徳というのは、戦後、新橋や渋谷などの「闇市」にマーケットを設立、「東京租界の帝王」と呼ばれた人物。後には、政界の黒幕のひとりとして君臨も。湖南省の生まれで、元中国軍パイロットというふれ込みで戦後、占領軍の軍人として来日。国民党政府が発行した法幣を何らかの手づるで交換して持っていた日円を、旧円封鎖に伴う新円切り替えでさらに交換、濡れ手で粟の利益を得て、それを資に焼跡の土地を買いまくる。窓口は三井信託銀行。敗戦後

    書評・七尾和晃『闇市の帝王――王長徳と封印された「戦後」』 - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2020/07/28
    小生夢坊!(@_@;) 書物蔵「真相はかうだ! 藤岡淳吉の日本焚書は片隅で/『印度資源論』のホンタウの訳者は『文献継承』(23) p.8-16(2013.10)でちょっぴりゲスト出演してもらったです(σ ・∀・)
  • 坪内祐三のこと - king-biscuit WORKS

    *1 坪内祐三はお笑いタレントの江頭2:50に似ている。もの書きとして名誉だと思う。 実際に顔会わせたのはこれまで二回きりだけれども、そのたびに、あの江頭ばりのどこか困ったむく犬のような眼で正面から口ごもられて、何かとても悪いことをしたような気になる。昔、校庭にまぎれこんだ犬にマジックで落書きした時の気持ちに似ている。 初めて会ったのは、朝倉喬司さんの出版記念パーティーだった。場所は確か私学会館。いずれ顔見知りに毛の生えたくらいの範囲の気のおけない集まりだったから、あれが坪内祐三だよ、と聞かされてこっちから近づいてゆき、握手でも、と柄にもなく手まで出してみせたのだけれども、あの困ったような顔を返されるだけでろくに言葉も交わしてもらえなかった。まあ、こっちも世間の評判は決して芳しくない身の上でありますからして、そんな凶状持ちと身近になるのは剣呑なんだろうと思い、それ以上気にもしていなかった。

    坪内祐三のこと - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2020/01/15
    「処女作『ストリートワイズ』(晶文社)もおおむね好評だった」森さんも坪内本でいいもの、と言ってたな(゜〜゜)未読で古本のヤマにある… 「山口昌男さんのそばで古本道楽の梁山伯みたいなことを」(^-^)
  • 「研究」という名の神――あるいは、「好きなもの」の消息について - king-biscuit WORKS

    「人の作りだした? あの時南極で拾ったものをただコピーしただけじゃないの。オリジナルが聞いてあきれるわ」 「ただのコピーとは違うわ。人の意志が込められているものよ」 ――第20話「心のかたち、人のかたち」 ● おそらく、『新世紀エヴァンゲリオン』について何かものを言えるだけの背景を僕は持っていない。 いや、もう少していねいに言おう。こういうすでに汗牛充棟、ひと山いくらで書店に並べられている「エヴァ」のひとつとして市場に流通することが定められているの中で、それら「エヴァ」を喜んで買い、そして読もうするような読者の最大公約数の期待に対して応えられるようなものを書いて示せるだけの前提を、おそらく僕は持っていない。 まず、アニメについては全くの素人。SFについても知識がないし、そこから派生して昨今の自然科学がどのような水準に達しているかについても完璧に暗いし、何より関心も薄い。コンピューター

    「研究」という名の神――あるいは、「好きなもの」の消息について - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2019/10/02
    趣味と研究、そして世間さま(・o・;) でもまあ研究・学問って宗教の代替になる機能があるからねぇ。森さんもさういふとったし(゜~゜ )わちきも少し感じるなぁ。
  • 「残酷物語」の時代・ノート――「鼎談・残酷ということ」から - king-biscuit WORKS

    ● 今から59年前、1960年8月発行の雑誌『民話』第18号に、「残酷ということ」という「鼎談」が掲載されています。*1 出席者は岡太郎、深沢七郎、宮常一の3人。それぞれ芸術家、作家、そして民俗学者として、その頃それぞれ話題になっていた文化人たちです。*2 副題に「「日残酷物語」を中心に」とあるところから、当時、ベストセラーに近い売り上げを示して出版界からジャーナリズムまで広く話題を呼んでいた平凡社のシリーズ企画『日残酷物語』と、それが巻き起こした現象などについて語ってもらおうという目論みだったようで、実質、巻頭企画の位置に置かれているのを見ても、当時この「残酷」というもの言いをめぐる文化人の座談会に、それだけのニーズがあったことがうかがえます。 *3 実際、この「残酷」というもの言いは、「残酷物語」というコピーライティング的な成句を踏み台にしてその頃、流行ったようです。 元の書籍

    「残酷物語」の時代・ノート――「鼎談・残酷ということ」から - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2018/03/13
    [人文書][出版史]人文書の読者たち
  • 「はなしを聴く」ことのいまどき - king-biscuit WORKS

    人さまの話を聴き、それを素材に何かものを書く。「取材」であれ「インタヴュー」であれ「聞き書き」であれ、呼び名はさまざまなれど基的な営み自体は変わらない。もちろんそれが売文稼業のひとコマでも、はたまた何かおのれの興味関心の赴くままの道楽沙汰でも同じこと。いずれ話しことばで語られる何事かをおのれの耳傾けて聴き取り、それを文字に落とし込んでゆく作業。わが身を振り返ればあれこれ工夫しながらそれなりに当たり前に、そうたじろがずにやってのけることができる程度にこれまで甲羅を経てきたらしいのだけれども、しかし、どうやら昨今、そのような作業の成り立ちそのものがこれまでとはまた違うものになりつつあるらしいのであります。 その場で聴いてメモをとる、それだけでは聞き違いその他、生身ゆえのありがちな間違いが不安だし、後から事実関係を照合してもう一度確認とる時にも必要だから何か録音機器をそばに置く。以前ならカセッ

    「はなしを聴く」ことのいまどき - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2017/12/27
    「話をする相手のちょっとした表情やしぐさから、声の調子や間合いにテンポ、質疑応答があるならばそれらに対する反応から動揺の気配やそれを押し隠そうとする印象など感情のゆれ動きなども」
  • 小林よしのり、という自意識 - king-biscuit WORKS

    ● 小林よしのり、の現状の「恥ずかしさ」について述べる。 異能の“プロ”としての漫画家から、ただの凡庸な十把ひとからげの言論人として「上へ向って堕落した」現状のことであり、その立ち位置から「反米」を弄して思想/言論沙汰に明け暮れるようになった経緯についてだ。その原因についてはある部分、幻冬舎や小学館という、近年彼をプロモートする立場にある者(活字出版業界の商売人)たちの責任が実は大きいと見ているのだけれども、そのへんのことはこの場ではひとまず措いておく。まずは当人、ご尊の症状についてだ。 これについては二年前、『諸君!』誌上で手紙形式で論評したことがある。案の定、ご尊からは黙殺されたが(笑)、基的な見解はそこで出してあるし、今もその認識は大枠で変わらない。 「9.11以降、「反米」を介してあなたが急速にその主張をいたずらに先鋭化させてゆき、それまでサヨク/リベラル陣営と目されていた人

    小林よしのり、という自意識 - king-biscuit WORKS
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2017/09/09
    「市場としての現実の中で、“プロ”としての職分を確立し、そのことで世間から信頼され得る「個人」として屹立してゆくこと、それが同時に創作にも良き影響を与えると信じている」(o;ω;o)
  • 1