いまや「イノベーション」はあらゆる業界の注目ワード。目まぐるしく変わる市場環境で生き残るために、多くの企業は今日もイノベーションの萌芽を懸命に模索している。そのイノベーションを組織的に生み出すための方法論として、世界的にも注目されているのが、野中郁次郎 一橋大学名誉教授が提唱する「知識創造理論」だ。では、組織の中で「知識創造」を実践するためには、何がポイントとなるのだろうか? ある東証一部上場企業が知識創造理論を実践してみたところ、理論の“生みの親”である野中教授自身も驚く結果が明らかになったという。その結果とはいったい……? 野中教授にとっても意外だった、 ある大手企業の「知識創造」実践結果 武田 前回では、野中先生が提唱されている「知識創造理論」を簡潔におさらいしていただきました。 野中 組織的に知識を生み出すためのSECIモデルには、「共同化(Socialization)」「表出化(