2022年のノーベル経済学賞は「銀行と金融危機に関する研究」に対してベン・バーナンキ、ダグラス・ダイヤモンド、フィリップ・ディビッグの3氏に授与された。 ダイヤモンド氏とディビッグ氏は銀行に関する標準理論モデル「ダイヤモンド・ディビッグ・モデル」を構築したことが評価された。銀行が資金の「満期変換機能」を果たしていることをこのモデルは理論的に示している。 満期変換機能とは、銀行が預金者からいつでも引き出せる「要求払い預金」を集め、それを使って企業の長期投資に資金を融通することをいう。また、その機能を果たしているが故に銀行は不安定な存在であり、取り付け騒ぎのリスクにさらされることを示した。一方、バーナンキ氏は、20世紀初頭の大恐慌における銀行危機の役割を解明したことが評価された。 大恐慌が歴史上まれに見るほど深刻な不況になったのは、多くの銀行が倒産したからだということを実証的に示した。 本稿は
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