本稿では3D映像の歴史と現在の3Dブームを概観した上で、3Dテレビの普及の現状について考察する。また、将来の3Dテレビとして期待される裸眼タイプの動向についてもその一端を紹介する。 3D映像の過去・現在・未来(PDF/830KB) 奥の物体は手前の物体に遮られると見えなくなる(=隠蔽)。遠方になるほど物体は小さく見える。(=相対的な大きさ)あるいは、大気中では遠方の物体ほど、彩度、明度、コントラストが低く見える(=大気透視)。 人間は様々な視覚的な情報を手がかりに奥行き感を知覚している。数ある手がかりのなかでも、近距離では左右の眼から見える物体の像の差異=「両眼視差」が奥行き感を知覚する上で最も有効な手がかりの一つであることが知られている。 現在実用化されているメガネ式の3D映画や3Dテレビは、いずれもメガネとプロジェクタあるいはディスプレイを組み合わせて、両眼視差を与えた映像をそれぞれ左