エドワード・グレイザー著(山形浩生訳)、NTT出版2012.9.28刊。 1967年生まれ(ということは今年で45歳)の著者によるこの図書の原題は「TRIUMPH of the CITY」となっていて、日本語のタイトルはこれに副題を足し合わせて訳してあります。都市は私たちを「Richer,Smarter,Greener,Healthier, and Happier」にするというのが本書の主張です。 「本書の多くがジェイン・ジェイコブズの影響を受けているのは明らか」と本人が謝辞で記すように、確かに第1章から第5章はそれ風の著者の考えやいくらかの経済学的成果が本書の幹をなす形で書かれていて興味深く読みました。ただし、7章以降は現代で最もガソリンを消費する都市の象徴であるヒューストンを、規制がなく住宅価格も安くてよい都市の代表例として称賛するなど、フツーの経済学の説明になっていて論旨が一貫しませ