日本糖尿病学会(門脇孝理事長)は11月1日、東京都内で開催したシンポジウムで、糖尿病の新しい診断基準の策定についての中間発表を公表した。現在の診断で使っている血糖値に、過去1、2ヵ月の平均血糖値をあらわす指標であるHbA1c値を加える見通しを示した。 現在の糖尿病の診断は、空腹時血糖値(FPG)、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)、随時血糖値により行っている。これに、過去1、2ヵ月の平均血糖値を反映するHbA1c値を導入することで、より確実な診断を目指す。 FPGやOGTTは短期的な血糖値をみるもので、採血前に絶食を必要とするなど患者の負担が少なくない。また、食後2時間血糖値は変化しやすく、食事や運動、治療法などの影響を受けやすく、得られた検査値の判定が難しい場合がある。HbA1cであれば、1人の患者での検査値のばらつきが少なく、検査直前の生活習慣の影響も少ないというメリットがある 新基準案